EOS 60D 用のバッテリーグリップ「BG-E9」を購入しました。
これは、縦位置グリップとも呼ばれているもので、シャッターボタンやダイヤルを装備していて、縦位置での撮影がしやすいようになるパーツというわけです。
本体内部には、専用の60D バッテリー「LP-E6」を2個格納できるので、約2倍の撮影時間(枚数)が可能になります。
この「LP-E6」というバッテリーは、EOS 5D Mark3 などと共通のバッテリーで、その容量は、7.2V 1800mAh です。
この数値は、私がタミヤのラジコンに夢中になっていたころに使っていたレーシングパック(ニカドバッテリー)の、7.2V 1700mAh よりも多いですね。
当時のラジコンのバッテリーよりも、大きさは半分以下だというのに!
さすがはリチウムイオンバッテリーですね。
というわけで、この「LP-E6」が1本だけでも、消費電力が少ない EOS 60D なら、かなりの長時間撮影ができるので、それをわざわざ2倍にする必要があるのかという疑問もわいてきます。
はっきり言ってしまえば、縦位置での撮影が便利になるという以外は、ほとんどの場面でバッテリーグリップは必要無いですね。
EOS 60D の最大のセールスポイントは、軽量でコンパクトなところです。
同じ性能であれば機材はできるだけ軽く小さい方がよいわけで、長時間の移動ロケや山登りなど、過酷な状況にカメラを持ち出す方なら痛感できる部分だと思います。
つまり、ほとんどの場面では、バッテリーグリップを装着するより、バッテリーが切れたら、その都度予備のバッテリーと交換するほうが効率的です。
では、なんのためにバッテリーグリップを購入したのかというと、クライアント同席の商品撮影で威力を発揮しそうだからです。
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私の場合、電源系のケーブルをできるだけ使いたくないため、商品撮影の際にACアダプターは使わず、バッテリーを使用します。
なぜかというと、必ずといっていいほど、うっかり八兵衛のような人がうっかりケーブルに足をかけるからです。
そういうわけで、バッテリー2個装備であれば、ほとんどの商品撮影現場ではバッテリー交換無しでいけます。
また、仮にバッテリーが切れた場合でも、カメラのサイドからバッテリーをスライドさせて交換できるので、見た目がスマートです。
今までは、三脚からカメラを外して、バッテリーを交換した後またカメラを取り付ける・・・という感じで、なんだか撮影が中断してます感がハンパなかったので、この部分の改善に役に立つのではないかと思います。
商品撮影では、バッテリーの消費が激しいというのも問題としてあります。
商品撮影の際、私の場合は、EOS Utility を使用します。
撮影した画像をクライアントと一緒に、PCのモニター上で確認しながら進められるからです。
また、照明さんがいる場合は、モニター画像を確認しながらライティングをしてくれるので、重宝しています。
パワーズームの無いキヤノン機では、ズーム操作と画角決めはカメラ側で行ないますが、それ以外のほとんどの設定はPC側で操作できるというメリットもあります。
ただし、カメラとPCが常に通信している状態なのに加え、私の場合はカメラの液晶モニターも付けっぱなし(ライブビュー撮影モード状態)にしているので、バッテリーの消費が激しくなるというわけです。
そのような理由から、商品撮影のためだけに、バッテリーグリップが必要だと感じたのです。
もちろん、商品撮影の場合は、常にカメラを三脚に固定しているので、多少カメラが大きく重くなっても、まったく不都合はありませんからね。
せっかくなので、バッテリーグリップ「BG-E9」を観察してみましょう。
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カメラに取り付ける際は、カメラの電池蓋を外して、バッテリーグリップに格納できるようになっています。
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三脚ネジ穴を利用してカメラに取り付けます。
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カメラ底面の曲線にピッタリ合うように設計されていて、かなり一体感があります。以前のモデルのような、明らかに無理して付けてます感はあまり感じられません。
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ON/OFF スイッチがあり、バッテリーグリップ側の操作を無効化することができるので、誤動作が防げます。
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1D系と同じように、ロックを外して、サイドからバッテリーマガジンを取り出します。
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このようにバッテリーを2個装着できますが、並列で繋ぐ構造なので、1個だけでもカメラは動作します。
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単三電池も使えるように、電池用のマガジンが付属しているのはありがたいですね。接点が金メッキされているのも機能美を感じます。ポーチ付きです。
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本体がワンピースストレート構造になっていて、内部にステンレスのフレームが入っているため、強度と軽量化を両立させています。
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グリップはとても握りやすく、カメラ本体のグリップよりもホールド感があります。親指があたる部分の出っ張りがポイントのようです。サブダイヤルにも指は届きます。
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カメラのシルエットが正方形っぽくなるのは、個人的には好みではありませんが、意見が分かれるところでしょう。
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残念なことに、カメラが大きく重くなってしまうことは、やはり大きなマイナスポイントでしかありません。普段の撮影ではバッテリーグリップを使うことはないでしょう。
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さて、今回EOS 60D バッテリーグリップを購入する際に思ったことがありました。
ネットの情報を見ていると、バッテリーグリップやバッテリーを購入する際、キヤノンの純正品ではなく、「互換品」を購入する人が意外に多いんですね。
互 換品を買うこと自体は別に問題無いのですが、そのユーザーレビューなどを読んでみると、バッテリーグリップのラバーが剥がれているとか、バッテリーがエ ラーを起すといったトラブルも多いようで、販売店に問い合わせたり、再び商品を返送したり、代わりの商品が届くのを待ったりすることになるわけです。
その面倒な手続きや時間を自分の時給に換算すると、結局は純正品を買うのと値段が変わらないように思うし、今後もエラーなどのトラブルが起きないかという不安を抱きながら使用していくのは、精神衛生上もよくない気がしてならないのです。
そしてなにより、国内メーカーの製品を直接購入すること自体に意義があります。
今はこういう時代ですから、日本のメーカーを応援するという意味も込めて、メーカー純正品を揃えていくというのはいかがでしょう。
この小さな積み重ねが、今後のより良いカメラの開発費にもつながっていくわけですから、結局は自分自身が恩恵を受けることにもなるのではないでしょうか。
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